金融商品を取引する上での手間や手数料の安さを考えると、ネット証券に口座を作るのは必然なのですが、それに加えて自社・他者様々なポイント制度を導入して、差別化を図ろうとしています。
ポイントの貯まり方や貯蓄率など様々ありますが、ここでは日本の主要ネット証券5社のポイントの使い勝手をまとめていきたいと思ます。
目次
ポイントの種類と投資先
比較対象は、以下の5社となります。
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
- auカブコム証券
- 松井証券
※各社「証券」を抜かし、「auカブコム」は「カブコム」と表記します。
※「貯まるポイント」はすべて「~ポイント」の部分を省略しています。
楽天 | SBI | マネックス | カブコム | 松井 | |
---|---|---|---|---|---|
貯まる ポイント |
楽天 | V T Ponta d |
マネックス | Ponta | 松井証券 |
ポイントの 投資対象 |
投資信託 国内株式 米国株式 他1つ |
投資信託 国内株式 金銀プラチナ |
株式売買手数料 暗号資産 |
投資信託 プチ株 |
投資信託 |
保有ポイント | なし | あり | あり | あり | あり |
クレカ 積立 |
投資信託 であり |
投資信託 であり |
投資信託 であり |
投資信託 であり |
なし |
他社ポイント との交換 |
あり | なし | あり | なし | あり |
全証券会社で獲得できるポイントあり
楽天・マネックス・松井
「楽天証券」と「マネックス証券」、「松井証券」は自社のポイントを貯められるようになっています。
特に「楽天証券」に関しては、「楽天市場」という巨大なネットショッピングモールの運営を行っている「楽天」傘下の証券会社ですから、証券口座以外の活動でも楽天ポイントを貯めやすいですね。
クレジットカードの「楽天カード」を作成した上で、投資信託の購入や株式の購入を行うと、もらえるポイントの料率が変わるなど、「楽天ポイント」をメインに貯めている方にはおすすめになります。
「マネックス証券(マネックスポイント)」と「松井証券(松井証券ポイント)」の独自ポイントは、それぞれの証券会社で発行しているクレジットカードを使ってポイントを貯められます。
”メインでこの証券会社を使おう”と決めた会社が発行しているクレジットカードは作っておいた方がいいと思いますね。
SBI・カブコム
一方、「SBI証券」と「auカブコム証券」は、自社のポイントではなく、他社製のポイントが貯まるようになっています。
「SBI証券」の場合は、少し複雑です。
クレカ積立で貯まるポイントは「三井住友カード」の「Vポイント」、
投資信託の保有で貯まるポイントを再投資できる「Tポイント」、「Pontポイント」、
投資信託の保有で貯まるポイントを証券口座内では利用できない「dポイント」
に分かれます。
ただし、クレカ積立で貯まる「Vポイント」をそのまま「ポイント再投資」へ利用できません。
「Vポイント」を再投資に回すためには、SBI証券の口座を「三井住カード仲介口座」へ変更する必要が出てきます。
詳しくは、以下の記事でも書いていますのでどうぞご覧ください。
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「auカブコム証券」は、自社製クレジットカードの「au Payカード」で貯まるポイントが「Pontaポイント」になります。
「Pontaポイント」をメインで貯めている方なら、「SBI証券」と「auカブコム証券」のどちらかを以降の比較内容で判断した方がいいかもしれません。
ポイント投資ができる金融商品
楽天
「楽天証券」は、この5社では一番多く「投資信託」、「国内株式」、「米国株式(円貨決済)」、「バイナリーオプション」の4つへ投資できます。
上の4つの内、「投資信託のスポット購入/積立購入」と「米国株式のスポット購入」は、各合計「30,000円以上/月」の購入で「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」のランクアップ対象となります。
この購入金額には、ポイントによる購入も含まれますが、毎月3万円が結構大きい額なので、もし積み立てるにしても無理のない金額に抑えましょう。
ポイントを使った投資信託の購入が、「スポット注文」、「積立注文」のどちらもOKなのは楽天証券だけです。
SBI・松井
「SBI証券」、「松井証券」は、ポイント投資ができる金融商品は投資信託だけとなります。
「SBI証券」は、投資信託のスポット購入のみポイント投資ができます。
一方、「松井証券」は、投資対象が限定の3銘柄だけなので、投資先を自由には選べません。
マネックス
「マネックス証券」のポイントの使い方は、5社の中でも独特です。
唯一「暗号資産」へ交換でき、さらに唯一の株式購入手数料の支払いにも利用できます。
どちらも証券会社のポイント投資先としては珍しいのですが、逆に他の証券会社が対応している投資信託や株式などへのポイントの利用はできません。
カブコム
「auカブコム証券」は「投資信託(スポット購入のみ)」と「プチ株」の複数商品にポイント購入が利用できます。
「プチ株」とは、他の証券会社でも取り扱いのある「単元未満株」になります。
つまり、日本株1株の購入からポイントを利用できるわけですが、これは「auカブコム証券」だけのサービスとなっています。
金融商品保有でもらえるポイント
投資信託などの金融商品を保有しているだけでポイントがもらえますが、「楽天証券」以外は保有ポイントにすべて対応しています。
月間の平均保有金額に対して付与率を掛け、算出される1ヶ月分のポイントがもらえます。
SBI | マネックス | カブコム | 松井 | |
---|---|---|---|---|
対象 | 投資信託 | 投資信託 | 投資信託 | 投資信託 |
付与率(年率) | 0.02%~0.25% | 0.03%~0.08% | 投0.005%~0.24% | ※以下枠外 |
付与されない銘柄 | あり | あり | あり | あり |
※(販売会社が受け取る信託報酬率(税抜)-0.3%)×1.1%
金融商品の保有ポイントは、すべて「投資信託だけ」となっています。
高い付与率は、ファンドの保有金額が合計1,000万円以上など、結構ハードルが高かったりします。
購入するファンドによっては、保有ポイントが付与されない場合もあるので、各証券会社のホームページなどを参考にしてみてください。
クレカ積立は便利
各証券会社が指定するクレジットカードで、投資信託を積み立て購入すると、ポイントがもらえます。
一般的に「クレカ積立」には、「松井証券」以外の4社が対応しています。
楽天 | SBI | マネックス | カブコム | |
---|---|---|---|---|
付与率 | 0.2%~1/0% | 0.5%~2.0% | 1.1% | 1.0% |
カードの種類 | 楽天カード (楽天キャッシュも可) |
三井住友カード | マネックスカード | auPayカード |
ポイントの種類 | 楽天 | V | マネックス | Ponta |
「楽天証券」のクレカ積立のポイント付与率は、以下のようになります。
- 販売会社(楽天証券)が受け取る信託報酬が0.4%(税込)以上→1%
- 販売会社(楽天証券)が受け取る信託報酬が0.4%(税込)未満→0.2%
- 楽天キャッシュ→0.5%
「SBI証券」のクレカ積立のポイント付与率は、以下のようになります。
- 三井住友プラチナカード→2.0%
- 三井住友ゴールドカード→1.0%
- 三井住友カード→0.5%
4社とも積立金額の上限が50,000円までなので、月に50,000円を積み立てて一番高い料率である「SBI証券」の「2.0%」でポイントをもらえるようにすると、月に1,000ポイントをもらえる計算になります。
しかし、「楽天証券」や「SBI証券」のように、付与率に変化を付けている会社は、高付与率でポイントを獲得しようと思ったら、以下のように少し工夫が必要です。
楽天
「販売会社(楽天証券)が受け取る信託報酬が0.4%(税込)以上」というのは、各ファンドのページ内の「代行手数料」に記載されているパーセンテージです。
基本的には、信託報酬を含む「管理費用」が高いファンドがこの条件に当てはまります。
つまり、支払う手数料が多くなるわけですね。
よく知られたファンドでは、「NASDAQ100 3倍」や「ひふみプラス」のような「アクティブファンド」ばかりが該当します。
SBI
「SBI証券」は、クレジットカードの種類が「プラチナカード」であれば、積立金額の2.0%のポイントをもらえます。
このプラチナカードの年会費が「33,000円(税込み)」と少し高いのですが、クレジットカードでのお買い物金額が毎年400万円に到達する方は、「プラチナカード」でもいいかもしれません。
もう一度だけご案内です!「SBI証券」のポイント投資全般はこちら
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これは、「楽天証券」、「SBI証券」のどちらでも言えるのですが、「クレカ積立」のポイントの料率にこだわるのなら、上のようなハードルの高い条件をクリアするための行動に出てもいいと思います。
ただ、1ヶ月の投資信託積立金額の上限は50,000円までですし、個人的にはあまり無理しない方がいいかなという思いの方が強いです。
他社ポイントとも交換できる
楽天 | SBI | マネックス | カブコム | 松井 | |
---|---|---|---|---|---|
他社ポイント への交換 |
マイル | なし | d T Ponta WAON nanaco マイル |
なし | d |
楽天
巨大なオンラインショッピングモール「楽天市場」を展開する「楽天グループ」の「楽天証券」は、やはり自社ポイントである「楽天ポイント」の利用がメインとなります。
マイルに交換できますが、楽天ポイントは楽天経済圏で利用するのが一番貯まります。
SBI・カブコム
「SBI証券」と「auカブコム証券」は、元々がVポイントやTポイント、Pontaポイントなど自社でポイントサービスを展開していないので、特に交換先はありません。
マネックス
「マネックス証券」のマネックスポイントは、5社で他社ポイントへ交換できる先が一番多いですね。
ポイントではないですが、アマゾンギフト券にも交換できます。
松井
「松井証券」の松井証券ポイントは、交換先はdポイントだけとなります。
「マネックス証券」と同様、ポイントではないですが、アマゾンギフト券にも交換できますね。
まとめポイントの還元率
最近では、各証券会社とも金融商品への投資を促進するための「クレジットカード利用」や「ポイント利用」を充実させているのが分かります。
どの証券会社をメインで使うか、メインのポイントに何を貯めているかによって状況は変わるでしょうが、大まかに
- クレジットカードの通常利用でポイントを貯める
- クレジットカードで投資信託を積み立ててポイントを貯める
- 購入した投資信託を保有してポイントを貯める
- 貯めたポイントでさらに投資をする
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というサイクルが出来上がりそうですね。
ちなみに、クレジットカード(プラチナ・ゴールドカードを除く)のお買い物等での通常利用で、5社の還元率を比較すると以下のようになります。
楽天 | SBI | マネックス | カブコム | 松井 | |
---|---|---|---|---|---|
還元率 | 1.0% ・楽天市場 ・SPU ・会員ランク などで還元率アップ |
0.5% | 1.0% | 1.0% | 0.5% |
年会費 | 無料 | 無料 | 初年度:無料 次年度:前年1度の買物 ※投信積立も可 |
無料 | 初年度:無料 次年度:前年1度の買物 |
是非、投資&ポイ活の参考にしてみてくださいね。