2019年は2018年に始まった「米中新冷戦」の影響で相場の見極めが難しい一年となりました。
しかし、年末の米中貿易交渉で「第1段階」の合意となり、東京市場も「リスクオンムード」が高まりました。
日経平均は12月17日に年初来高値となる「24091.12円」(ザラ場)をつけました。
その後トランプ大統領を弾劾訴追する決議案が米下院にて可決されましたが、共和党が多数を占める上院を通過する可能性は低いと見て、市場は裁判の影響は限定的というムードになっています。
値がさ株には一部売りが出ているものの、米国株式市場の高値更新が継続し、為替相場も「1ドル90円半ば」と円安基調のため、日本株も高値をつけています。
用語解説
■リスクオン
投資家がリターンを追求しやすい相場状況のこと。
米ドル債券・日本円債券に集まっていた資金が、株式などのリスクの高い相場に向かいやすくなります。
逆の傾向を「リスクオフ」と言う。
■ザラ場
寄付(よりつき)から引けまでの間の取引時間のこと。
寄付とは、前場(午前の取引)と後場(午後の取引)の最初の取引を言う。
引けは、逆に最後の取引のこと。
つまり、この間の取引はすべてザラ場となる。
■値がさ株
1単元(100株)あたりの株価が高い銘柄のこと。
おおよそ、株価が5,000円程度で、1単元での購入金額が50万円ぐらいのものを言う。
日経平均株価は、この値がさ株の値動きの影響を受けやすい。
SBI証券マーケットレポート
半導体関連株情報
半導体関連株については、今年後半からの上昇が顕著だったため、今からは手掛けにくいとも思われるが、同セクターについては依然として有望だと考える。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上昇については、これまでは株価の割高感を示すPER(株価収益率)の上昇に基づくところが大きかった。しかし、足元では同指数を構成する企業群の予想EPS(1株利益)は増加傾向にある。そのため、今年後半の株高はPER上昇による期待先行による部分が大きかったが、2020年以降はEPSの上昇という実体的な要因に基づいた株価上昇が期待できると考えられる。見方を変えれば、今のところ、半導体企業の底入れ感によって関連企業の株価は上昇してきているが、実態としては、多くが減益幅を縮小しているにすぎず、数値としてはマイナス・減益のままである。そのため、来期以降、業績が実際に増益転換してプラスの形で出てくれば、もう一段の上値余地はあるとみられる。